霜降り明星 単独ライブ「かぜおこし」に行ってきた!
幕張に降りたつ。西葛西から海浜幕張がこんなに近いとは知らなんだ。
理由はひとつ。題名のとおりだ。
時間軸を現在に合わせた書きだしにするのであれば、
「最高だった」の一言に尽きる。
同い年であることが誇らしく思えたほどだ。
生まれてから今日まで同じだけの時間を与えられても、
これだけ生きる世界がズレていくのは不思議である。
なんとなくの覚え書きを残しておく。
だいたいこんな感じだっただろうという流れ。順番等記憶は全くもって定かなものではない。
今回の単独タイトルは「かぜおこし」これは会場後のBGMがポケモンのゲーム音楽だったことから推測するにポケモンの技から命名したと思われる。
―オープニングトークー
- その歌知らん
- アンパンマン
- はじめてのおつかい
- 遊園地っていいよね
- カラオケもいい
―高速フリップ(粗品さん)ー
- 宇宙人~どの星でも女には優しく~
- お寿司とかけて何と解く
―なんなんじゃそりゃ(せいやさん)ー
- 漫画返して
- おじゃ魔女どれみカーニバル
―アンケートトークー
- 小学校の思い出
嘘みたいだろ。これが全部面白いんだぜ。
思わずタッチ口調になっているところからも今の私の機嫌の良さがわかる。
それだけに全編に亘って最高に面白かったこということだ。
漫才が10本。やりすぎだ。体力が無尽蔵ですか。太陽光ですか。
さすがに幕が閉じてゆく最後の最後はヘトヘトに見えたが、
90分走り抜けて岡崎と長谷部みたいな顔してた。
最初に配布されたアンケートに「一番面白かったのはどの漫才でしたか?」という設問があったので、暗転中は暗闇の中で暫定一位の選出をしたりしていたのだが、
私の中では「おジャ魔女どれみカーニバル漫才」が最終的に勝ち抜いた結果となった。
本人が最強漫才と呼ぶ漫才だけある。その呼び名に違わぬ正真正銘の傑作選。
全部の瞬間が面白かったので、ダイジェストで振り返ってみる。
生で見てより面白かった瞬間を、将来ぜひ冥土の土産にしようと思う。
―オープニングトークー
■大阪からわざわざ来てくれたお客さんにブーイングギャク披露。(せいや)
なんでそんなことする。どういうルールのお笑いなのそれ。話が進んでも思い出して笑っちゃって話入ってこなかった。
トークから漫才へ移行するのはせいやさんの台詞きっかけだったが、なかなか言わず。
「霜降り明星の単独ライブ!スタート!!」というコールを叫びかける。
―漫才1本目「その歌知らん」ー
■坂田師匠の知らんギャグ
どのモノマネも完成度高くて感心してしまうけど本当に知らん歌。面白い。この漫才はテレビでみたことがあるが、何回見てもおもしろいものはおもしろい。「スプーンに映った~」のところは女子が4回転サルコウ決めたのかと思うくらいの拍手喝采だった。
―漫才2本目「アンパンマン」ー
■生で観た方がよりカバ強め。
М1グランプリ敗者復活のネタ。生で観れて最高の気分。テンポ良すぎてリズムネタに思えてきた。「ワンバン!」の小気味よさ。バタコさん抱えてる時の泣きの演技が上手。終始会場内の笑いが途切れなかった。
■板尾創路さんの象のおもしろさを思い出す。
粗品さんは象は歩かせなかった。
「終盤のバブ」が聞き取れないお客さん多数も時間差でみんなに終盤のバブが行き渡る。しっかり全部ウケてた。
―漫才3本目「はじめてのおつかい」ー
■日本人はじめてのおつかい、神回、しょげるわを筆頭にツッコミが光る光るの入れ食い状態。せいやさんはもうこの時点で汗ビッショリ。
■男性のお客さんからもらったお題は「時代劇」
サッカーボールを額に乗せてお題に対して10個言うという特技。
いや10個も時代劇言える人間いるの。お題に笑った。
「昔のアニメ」とズボン脱ぐのをやっていたが、普通にすごい。体幹すごい。
―漫才4本目「遊園地っていいよね」―
■女の話にしては聞ける
でも女の話らしい話をする女のほうが確実にモテているのが私たちの生きているこの世界。
―漫才5本目「カラオケもいい」―
■P&GってそんなにいっぱいCM打ってるんだという知識が増える。
歌がうますぎる。子守唄と、こぶたぬきつねこはこの漫才で出てきたのかどうかが思い出せない。
―粗品の高速フリップー
■お兄さんお姉さん父方のおじいちゃん母方のおばあちゃん
以前、Aマッソ加納さんに「メッシのドリブル見てるみたい」と言わしめた粗品さんの起源。「泣くな」を聞きたかったが登場せず。実家の客室でトーナメント組んでみましたも好き。女流棋士のOKサインと最後だけ見たことないフリップだった気がした。
それにしても、「2pの虹」はお客さんに伝わらなすぎに思うのに頻出フリップの座を下されずにいるのはテレビで見ていても気になって仕方ない。明らかに伝わっていないのだと思うのですがどうだろう。「2pの虹」だけ静か~になるんですが舞台上だとわからないものなのかどうしてもやりたいのかが気になるところ。つまらないわけではなく「は?どういう意味?」という空気がお客さんの半分以上から漏れ出ているのはあまりに礼太郎…あ、え、あ、に奇妙な光景だった。
ちなみに「2pの虹」というのはゲームで友だちと二人で遊んでいますと、女子は大概ヨッシーを使いたがりますからヨッシーを取り合うわけです。でも二人とも緑色のヨッシーでは見分けがつかなくなってしまうので1Pのコントローラーの人がオリジナルカラーの緑ヨッシー。残る2Pのコントローラーの人はピンクとか赤とかのヨッシーを使わなきゃいけないのです。これはもうそういう法律があります。この法律を守ったことのある人のみぞ伝わる「2Pの虹」です。
伝わらんでいい。めちゃくちゃにどっちでもいい。
みんなそれぞれがそれぞれで
わかることだけで生きていこう。
―漫才6本目「宇宙人」―
■どの星でも女には優しく
フリップネタでみんな呑気に笑っているけど、いつ宇宙人が攻めて来るかもわからないんだぞという警鐘をならされる。
どの漫才よりも会場に笑いが響いていたように思う。イオン全体が揺れていてもおかしくないくらい。揺れすぎて何機かエレベーター止まったんじゃない?
―漫才7本目「お寿司とかけて何と解く」―
■オールポイズン
蠍・シリビン・水銀・青酸カリ・ヒ素
―せいやのなんなんじゃそりゃー
■銀色のおっぱいの名前はチンベル
改良に改良を重ねたなんなんじゃそりゃ。左胸、心臓の位置にチンベルを装備。
誰にも言ったことはないが密かに「銀色のおっぱい」という存在として私の中で認識を固めていたのだが、あれはチンベルというものらしい。
なんなんじゃそりゃの人がそう呼んでた。
そんなことはどうでもいい。
なんなんじゃそりゃ面白かった。進歩がすごい。すごいぞ。
国土地理院が公開しているここ40年の幕張の変化を比較する航空写真を見たことがあるだろうか。今なんなんじゃそりゃを見て笑っている劇場もかつては陸地ですらなく海だった場所だ。幕張メッセもマリンスタジアムも全て埋め立て地の上に建てたものだ。全部海だったのにこんなに都会的な街が出来上がった歴史ある場所。それが幕張だ。
その幕張の地で幕張の成長を彷彿とさせるほどに「なんなんじゃそりゃ」は急成長を遂げていた。格段に面白さが増していて今回一番感動した。
参考画像(1970年代の幕張↓)
―漫才8本目「漫画返して」―
■アグネス独唱でチャラ
「なんなんじゃそりゃすごいことになってるなぁ~」と粗品さん。
そんなことよりネタ合わせの時に貸したコナンを返してと粗品さん。
フリートークが続いているのか漫才中なのかわからなくなっちゃったお客さん。
しばらくどっちかわからなくてそういう空気が漂う。
途中で客席全体が「あ、漫才だ!」ってなった瞬間を感じることができた。
アグネスチャンさんの歌を聴かせるせいやさん。歌がやっぱり上手でみんな聞き入ってしまう。が、それでチャラの交渉提案になるとは面白すぎる。が、歌手のCHARAさんがチラついて「これでCHARAや。」という変なボケだと一瞬思ってしまい、前頭葉がグズグズってなった。
殴らないための耐え方が可笑しすぎた。
―漫才9本目「おジャ魔女どれみカーニバル」―
■どれみちゃん達の圧勝
この日一番笑った。名作。後半、あれ?聞こえて来た?ずっと声出してた?あれ?聞こえる!聞こえてきた!と思いきやのフィナーレ。最高。
カスケードと競り合ってマキバオーが勝ったときのことを思い出したなぁ。
最後のおじゃ魔女カーニバルの捲り方は歴史に残る。
―アンケートトークー
■粗品は優しい
事前にお客さんから回収したアンケートをもとに質問や希望にこたえる。
初っ端から粗品さんが目を通した末に選んだのは、
「お互いの好きなところをランキング形式で3つ教えてください」
なんでそれなのかとせいやさんから文句を食らうが、お互いを褒め合う時間に。
粗品さんは「自分にないものを全部もっているところ」だそう。
せいやさんは、新しい波の収録で慣れない東京のスタジオなのに自分のせいで喧嘩をしてしまった。それなのに出番直前の舞台袖で下手側にスタンバイしている自分のところまで上手側からわざわざ来て「俺も言い方キツかった」と粗品さんから謝りに来てくれたというエピソードを話されていました。
「元々ピン芸人としてで高く評価されていたのに、その地位を捨ててまでコンビを組んでくれて自分をこの世界に誘ってくれたところ」という回答もありました。
仲が良いっていいですね。
トークのやりとりを聞いている限りではせいやさんはしっかりしているように思えたのだけれど、騙されているのでしょうか。
続いて「体でしりとりをしてください」に対しては
そ「リス」せ「スルーパス」そ「スイカ」せ「カールおじさん」で「ん」が付いて終了も、言う前にカールおじさんだとわかったので粗品さんの言うとおり器用な人だと思った。
最後は「今までやったことのないモノマネ」で
「人のフリスク横取りするやつ」というのをせいやさんが初披露していたが、
横取りされるまでに粗品さんはフリスク40粒くらい食べてたのが面白かった。
横取り待ち以外でそんなにフリスク口に運び続ける人いない。
そのモノマネは「周りにいたらダルイやつ」シリーズというものの一つらしく、なんなんじゃそりゃに続く「だぁぁ~るぅぅ~」というギャグが良かった。
―漫才10本目「小学校の思い出」―
■「喋るな」からの「濡れるな」
言うぞ言うぞという期待感と聞けた聞けたという満足感が行ったり来たり。
たくさん笑って時間が過ぎるのが惜しくてたまらなかった。
幕がしまってそのまま終演。
霜降り明星の真骨頂を見た。
無駄のないどこまでも格好良い単独ライブだった。
初見の漫才はもちろん、展開をも台詞をも知っていても面白いことが凄いことだと思う。
漫才でよくある題材やパターンが多く散りばめられているのに新鮮味もあるのってなんでなんで。
手を洗うとか、ハンドアとか、溺れてからの負けてもプロとか、歌わせて野党とか、どの漫才にも組み込めるシーンがあるのって見ていて楽しくて良い。どこで出てくるかわからないから出てきたときにうれしい。
もう一つ気がついたことは、粗品さんは相方の頭を決して叩かなかったということ。
手をなんというのだろう、置いてる。乗せてる。コットンパックを馴染ませてるのかな?ってくらいの力で。どちらかというと人を褒めるときのよう。元気づけるときのよう。
けれどもツッコミの印象は鋭いのでずば抜けてたバランス感覚を持っているとしか…。
お二方ともに天才!天才!大天才!
圧巻のかぜおこし。一人残らず笑かしていた。なんて格好がいいのだろう。
ポケモンの技で言うところの「かぜおこし」は命中率が100パーセントの技である。
その名に背かない大爆笑を聞いた夜だった。